2011年8月16日火曜日

内科医が知っておきたい口腔疾患

5月18日の総合ケースカンファを覚書。

喉の奥の苦味は、目薬が原因となることがある。
70歳以上の35%は、薬剤性である。
古い義歯は、素材が変化を起こして、苦味の原因となることがある。

多発する咽頭潰瘍→クローン病
歯肉腫脹→探求性白血病
分厚い舌→アミロイドーシス、多発性骨髄腫
咽頭膿瘍+リンパ節腫大→伝染性単核球症
 伝染性単核球症ではEBウイルスの検索と共にサイトメガロウイルスの検索も行う。
 ペニシリン、セフェム系抗菌薬は禁止。発疹した場合も、将来ペニシリンの使用は多分大丈夫・・・。
 両側に偽膜が付着する。
 分葉球、桿状球の上昇はほとんどない。
 AST、ALTが上昇する。サイトメガロの方が肝障害はひどく、口腔症状は乏しい。
 リンパ腫のことも稀にあるので鑑別は必要。
扁平苔癬様の白苔→カンジダ
 カンジダを診た時はHIVも検索する。
潰瘍を伴う白苔→ヘルペス
口角炎、舌炎、口唇炎→鉄欠乏性貧血
 Runner's Anemia・・・汗の中にも鉄分が溶けるので大量の汗でも貧血になる。
シグマートで口腔内潰瘍が出来る。
 中止後3週間くらいで治る。
フェニトインで歯肉増殖が起こる。
 困っている場合は外科的アプローチも行う。
外歯瘻は時々ある疾患。
歯肉着色では、悪性黒色腫の鑑別が必要。
口腔内の悪性疾患では、扁平上皮癌がある。
ビスホスホネート内服している人は顎骨壊死に気をつける。

「味覚異常」
亜鉛は欠乏していなくても処方することがある。効果がある印象がある。
唾液分泌の低下に対してはサリグレンで対症療法。老人性、シェーグレン症候群が考えられる。
歯磨き粉を変えることで改善することがある。

味覚異常に効く漢方薬
①白虎加人参湯
②麦門冬湯
③五苓散     で自覚症状の改善があったとのこと。

味覚異常の鑑別で大事なのは聴神経腫瘍。
 聴神経のすぐそばに顔面神経が走っているので、顔面神経が障害されると舌舌半分の味覚異常が起こる。
 初発症状で多いのは、難聴、耳鳴り、めまい・ふらつき。

口腔ケアは発熱、肺炎の予防になり、大切である。