予防医学とは
バランスの良い食事。適切な運動。高血圧や糖尿病に対する薬物療法。
インフルエンザシーズンのうがい、手洗い、人混みに出歩かないこと。
これらはすべて予防医学です。
狭義には、「病気になってしまってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作る。病気を予防し、健康を維持する」という考え方 Wikipediaなぜ予防医学が大切なのか
佐賀大学や佐賀記念病院の救急の現場、佐賀記念病院、グリーンクリニックでの看取りの現場では、後遺症を残した患者さんを沢山見てきました。
また、リハビリ病棟では必死に頑張っている患者さんも見てきました。
そこでの大きな気付きは
「神様は人の体を弱るのは早く、回復は遅く作った」
ということです。
予防の労力は、後遺症へのリハビリなどと比べると楽ちんなのです。
例えば、
運動不足でとうとう転んだ高齢者はリハビリ病棟で、ちょっとした散歩よりきついリハビリに耐えなければなりません。それでも後遺症が残ります。
食べすぎている糖尿病の患者さんが心筋梗塞を起こすと、塩分制限を含めた非常に厳しい食事になります。そして心不全の後遺症が残ります。
予防の大切さは通常認識できない
予防の大切さは医療関係者以外には通常認識できません。それが普通です。
医療関係者以外で大切さを認識するときの多くは「家族が病気になった」ときです。
家族が癌になった、心筋梗塞になった、脳卒中を起こした。
医師として意味がある治療を提供するのは当然ですが、治療の意味を出来るだけお伝えします。
予防のやりすぎ・批判にも注意
予防の大切さを書いてきましたが、逆の注意もあります。
例えば運動をしすぎると怪我のリスクも高まります。
運動によって得た健康寿命を運動に消費していくことにもなります。(運動そのものが好きな場合を除く)
予防に対して可能な行動は、持病、環境素因や遺伝素因、体質、年齢によって異なります。運動する場所や食育環境、炭水化物に溢れた文化、年齢的な体力の低下。
大切なことは「理想の自分と比較することで他人と比較することではない」ということ。
コスパのいい予防医学を提供できるように、順序立てて、情報提供できるように励みたいと思います。
記載:江口 仁