2011年3月8日火曜日

虚血性心疾患と最新治療

先日の講演会の後半編。

心疾患での死亡は日本で第3位。

虚血性心疾患は、心臓に血が行かなくなる病気です。心筋梗塞や狭心症を指します。心臓を栄養する血管、冠動脈が詰まったり、細くなったりすることで、そこから先の心臓を動かす筋肉(心筋)が死んでしまったり、正常に動けなくなったりします。

虚血性心疾患の治療に、心臓を栄養する血管にステントという筒を広げて治療する方法がありますが、最近は薬剤溶性ステントというのが流行っているらしいです。ところが、長期予後には、薬剤溶性のものも、そうでないステントも変わらないらしい。でも、再狭窄は薬剤溶性のものの方が少ないと。ということは、再狭窄の治療が少ない薬剤溶性の方がやっぱり良いのかな。

ステントには、単純な筒状のものもありますが、複雑に枝分かれしたりするものもあります。もちろん、複雑に枝分かれしたものが後から開発されたものですが、複雑なステントの方がステント血栓症は少ないらしい。ステント血栓症は、心臓を栄養する血管にステントを置いてきたときにおこる合併症。異物が体の中に入るので、ステントの存在自体や、血管の内側のコーティングをステントを置くときに傷つけることによって、体の血を固めるシステムを動かして、血の塊を作るのではなかったかしら。

ステントは、60秒間ゆっくり膨らますのと、20秒間3回膨らますのとでは、20秒3回の方が再狭窄率は低いらしい。

専門家からの視点としては、ステントの症例はやっぱり増えているとのこと。外科に相談する症例としては、再狭窄例、特に左主幹部の。と、左主幹部+びまん性の狭窄例らしい。

と、面白かったのでついつい書いてしまいましたが、専門的な話は置いといて。。。

最近流行りの?心臓CTについて。
心臓カテーテル検査という負担の大きい検査をしなくても、心臓血管の狭くなっている状態が分かるということで、心臓CTが検査の選択肢にあがってきています。負担が少ない点は大きなメリットですが、造影剤を使用する量、X線に被曝する量は、カテーテル検査の12倍らしいです。でもやっぱり造影剤アレルギーでもない限り、CTを選びたい気はしますね。

総合と関係ある話としては、
糖尿病の治療がここ10年ですごく発達してきましたが、平均寿命が普通の人より10~13歳短いという結果は、短縮されていないそうです。残念。コントロールが甘いのかな。血糖を下げるだけじゃダメ?まだまだ、ということですね。

血圧を1mmHg下げると、心血管のイベントは4%下がるらしい。これは大きい。1mmHgでも下がるよう努力すべし。

ミカルディスは糖尿病の新規発症を抑えるとのこと。これはちょっと共催者の息がかかってそうだけど嘘じゃないでしょう。リスク高い人には使ってみるか。処方時にそこまで頭が回れば。

何とあれ、虚血性心疾患の治療には生活習慣の管理が大事!!とのこと。わかっちゃいるけど難しい。努力、応援すべし。

報告終わり。次は土曜日に行ったBLS講習について。カナ。腹筋の筋肉痛が今朝やっと治っていた。。。