2011年3月1日火曜日

酸化ストレスと心疾患

先日、循環器の講演会に行ってきました。

酸化ストレスと心疾患について。

酸化ストレスは、老化や全ての疾患の根本となるもので、体に悪いもの、というイメージで聞いていましたが、折角なのでグーグル先生に聞いてみました。酸化ストレスは、体の中で組織を傷つける力と、それを修復する力の差を指すようです。身体の中で細胞がエネルギーを作った老廃物や、外から入ってきたものからの攻撃(ばい菌とか?)、要らない細胞の処理、細胞同士の情報伝達で出来た老廃物などが傷つけます。身体を構成している脂質、蛋白質、酵素、DNAなどが酸化されて傷つけられます。引いては、老化が早まったり、病気を起こしたり、癌や生活習慣病(糖尿病、高血圧など)を起こしたりします。アンチエイジングで良く聞く言葉ですね。生きている限りは誰でも酸化ストレスがかかっています。

難しいミクロな話はあまり頭に浸透していませんが、「高容量のカテキン(緑茶の成分)は酸化ストレスを抑える」らしい。ビタミン剤との比較試験だったかな。。。お茶何杯分くらいのカテキンかは質問出来ずジマイでした。

それから、高血圧対するお薬で、ARB(アンギオテンシン・レニン・アルドステロン系拮抗薬)がありますが、心不全のある患者さんで経過をみたところ、飲まない人と比べて、総死亡では有意差なしだったそうです。生活の維持レベルとか、病気の発症とか、死亡以外の要因は分かりませんが、死亡だけみると有意差なしだそうです。残念。

他、酸化ストレスをみる試験で、
・マルチビタミンは無効、
・シンバスタチン(高脂血症の薬の一種)は無効
・テルミサルタン(高血圧の薬の一種)は有効           らしいです。

それから、高血圧を起こす病気の一つに、腎動脈狭窄症というのがあります。普通の高血圧の治療では内服ではなかなか血圧が下がりません。多くは、脳梗塞、心筋梗塞などの原因となる、動脈硬化が原因です。動脈にステントを置いて広げるなど、手術を考える症例は次の通り。

・2cmを超える腎動脈狭窄病変
・妊娠する女性
・腎動脈高血圧症

症例の報告では、頭痛もちで内服しても血圧が200くらいあり、腹部大動脈瘤を持っている80歳男性が、腎動脈が左右ともに狭窄しており、腎血管を治療して良くなったそうです。普段160mmHgくらいの高血圧の17歳女性、心臓が大きくなってきていて、腎血管を治療して、140mmHgくらいになったそうです。血圧190/100くらいの55歳男性、腎血管治療で良くなったそうです。

以上、講演会前半のご報告。