当院の高血圧症の診療で大切にしていることは
「ガイドラインの遵守率の改善」です。
ガイドラインとは極端に言えば教科書です。
各学会が新旧含めた賛否両論の研究を吟味し、わかりやすくまとめた指針のことです。
一つの研究だけでなく、同様の研究や、反対の結果が出た研究を調査します。
数年毎に新しい研究の結果を加えてガイドラインが出ます。
そのため数年後との再学習が必要で、学習後治療に当たります。
1.食事療法、運動療法など薬物療法以外の治療
多忙な医療現場では食事療法、運動療法などの生活習慣の指導を十分な時間が取れないことが多いです。しかし、上記のガイドラインでは運動療法、食事療法、行動療法は重要であることが指摘されています。
時間が許す限り薬物療法以外の治療も注目して治療を行っていきます。勿論、一度で全てはわからないこともあり、時間が経つと忘れることもありますから、通院の際に少しずつ病気について一緒に学んで行きたいと思います(セルフケアサポート)。
2.個別化した治療
ガイドライン、教科書でいくら「○○したほうがいい!」と言われていたとしても、治療にそうそう納得出来ないことも多々あります。リスクをお話した上でどう治療するかを判断していきます。
また、高齢期になると、持病が多くなり(併存疾患の増加)、治療の効果が乏しくなったり、副作用が出やすくなったりします。副作用のチェックをしつつ、患者さんにあった薬物に調整していきます。
最新の医療というより、ガイドラインに沿って、標準的(スタンダード)、保険で認められている治療を提供できることを目指しています。
記載:江口仁
日本高血圧学会:ガイドライン2019
https://www.jpnsh.jp/guideline.html
*中頃に概要のPDFが公開されています