少し前の講演会になりますが、ご報告です。
● 佐賀県の肝炎ウイルス検査の状況
1992年から2010年に佐賀県の人口の約半分が肝炎ウイルス検査を受けたそうです。しかし、まだ、60歳以下の人は検診を受けていない人が多い。B型肝炎ウイルスの感染者は50台がピーク。(やっぱりこのままではいけないんじゃないかな。)そして、C型肝炎ウイルス検査に限って言うと、検査を受けた人は市町に寄って3~9割と差が激しい。(何かが偏在している。知りたいです、その要因。)平成20年4月~23年12月に佐賀県で治療費の助成を受けたのは延べ2033人。佐賀には16000人のHCV保有者がいると推定されているので、まだ12%しか助成を受けていない=治療を受けていないということです。(後88%は皆、治療の適応のない高齢者でしょうか。それとも丁寧な説明を受けたにも関わらず治療を断った人でしょうか。治療に時間を少しもさかせて貰えない子育て介護主婦や仕事人間でしょうか。そんなことはないはず。)
● 佐賀県の肝炎ウイルス治療の助成制度が改訂されたそうです。
① 月に自分で払わなければいけない治療費(月額自己負担金)は3万円でしたが、1~2万円までに変更されました。
② B型肝炎に対する核酸アナログ製剤を使った治療にも助成が下りるようになりました。
③ 2回目も、条件付きでOKになりました。
(詳しいことはやはり、治療を行なっている専門医療機関に聞かないといけないと思いますが、治療費助成の範囲や、治療の適応、使われる薬や副作用が、前とは変わってきていることは、ぜひ、皆さんに知っていて貰いたいです。)
● 治療で肝炎ウイルスがいなくなる割合が向上します。
初回治療ガイドラインで治療した場合
遺伝子型 1 2
ウイルス量が多い 5割 8割
ウイルス量が少ない 8割 9割
新しい治療薬(テラプレビル)を使えば、遺伝子型が1でウイルス量が多くても、治る割合が5割から8割に上がります。(テラプレビルには皮膚の副作用が今までの薬より多いので、お付き合いの仕方はありますが、上手く付き合えば、肝炎ウイルス感染は、8~9割は治る病気になります!!)
● 疫学
検診すればするほど助成率は上がる。
治療すればするほど死亡率は下がる。
(なので、ウイルス検査の受検人数や、助成費を受けた人の人数は、佐賀県の肝がん死亡率を減らす目標の参考になります。)
● 肝がん患者さんの数
肝がん患者数は男性は頭打ち、女性は増えている。(早く治療を!)
高齢化が進んでいる。(早く治療を!)
死亡率は減っているが全国ワースト一位は変わりない。(早く対策を!)
C型肝炎ウイルス検査は30歳以上の人口の50%,HBVでは27%が検査済み。(もっと検査を!)
C型肝炎ウイルスに対するインターフェロンは、既知感染者の30%、推定感染者の12%くらい。(私達はまだ、肝がんで悩む人を減らせると思う。)
● Erectric Health Record(EHR)
健康に関する情報を電子的に記録することをEHRと言うそうです。(将来ブームが来そうです。どこの病院に行っても自分の健康情報を利用出来たり、個々のデータを集めることで、病気の原因や治療を検討出来たりするようになる??)佐賀県の肝がん撲滅の阻害要因解明に活用出来たらいいな、と言われてありました。
今度、3月17日のフットサル大会で、健康増進課から出す肝炎ウイルス検査と一緒に、肝炎検査アピールのパネルを出すことになりました。間に合うか!?若い人に検査を受けて貰いたい、というボスの思いです。間に合わせます。