2012年4月3日火曜日

デノボ肝炎を知っていますか?

2月21日の記事で、「デノボ肝炎の予防にワクチンが必要かどうかまだ検討中の課題」という話をしましたが、今日はデノボ肝炎について話します。(1月の講演会を参考にしています。)

デノボ肝炎(De novo)とは、これまで臨床的に治癒、既感染者と考えられていた患者さん(HBs抗原陰性でHBc抗体陽性)においても、ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤を使った後に、B型肝炎ウイルスが”再”活性化することで起こる肝炎です。悪化して命に関わることも多く、最近注目されています。つまり、治っていなかった、ということです。

デノボ肝炎は、免疫抑制剤を辞めた後に多く起こります。
免疫抑制剤を辞めた後に、4人に1人の確率でウイルスが再活性化し、HBV-DNAが増えてきます。肝炎となって発症してしまうと、多くが悪化(劇症化)しますが、肝炎のガイドラインに合わせて用心して経過を見た患者さんは、肝炎となる前の段階で見つかり、対処がしやすくなります。悪化した肝炎は講演会の先生が追った患者さんは全例お亡くなりになったそうです。

DNAが増えてきたら、s抗原陽性化を待たずに治療に入るのが良いようです。HBs抗原が陰性であれば、抗リウマチ薬でHBVが活性化しても、重症化は阻止出来ます。HBs抗原が陽性になってしまうと、抗リウマチ薬でHBVが活性化すると、死亡につながる可能性があります。

助成金を使って治療が出来る人は、2011年のB型慢性肝炎のガイドラインでは、
・ALTが31以上で、(血液検査)
 ・HBe抗体陽性の人は、DNAが5 log copies/ml以上の場合、
 ・HBe抗体陰性の人は、DNAが4 log copies/ml以上の場合、
 ・肝硬変の人は、DNAが3 log copies/ml以上の場合です。
また2012年は変わるかもしれません。

☆治療はALT31以上からしか出来ないようですが、HBs抗原陽性の人は、ALTが正常でも癌が出来ると言われています。病院や健診で、定期的にエコーやDNAなどの検査をして下さい。
☆HBs抗原陽性の人は、HBe抗体が陽性でも癌が出来ると言われています。病院の受診が一時前で、DNAまで測定した覚えがない人は、受診し、検査して下さい。
☆若い人で妊娠の関係があったり、中止基準がはっきりしていないなどの問題もありますが、まずは一度、専門の先生にお話を聞いてみて下さい。

他、
・家族に肝炎ウイルス保有者、もしくは肝がんの人がいる人、
・母子感染対策が始まった1985年以前に生まれた人、
・輸血、手術、透析、コンドームを使わない性交渉、薬物乱用、刺青に心当たりがある人、
・抗癌剤、ステロイド、免疫抑制剤などを使う予定がある人は、
ぜひ、肝炎ウイルス検査をして下さい☆(By 肝炎下敷き)