2016年3月15日火曜日

地域医療と個人の満足度

地域医療という名前はすごく素敵に聞こえます。

しかし、これが自分、もしくは家族にとっては
我慢しなければならないことであるとしたらどう思いますか?

例えば、個人的には「もう少しゆっくり療養したい」ってことはよくありますよね。
「不安だからもう少し病院で様子を見たい」ってこともよくあります。

しかし、病状が安定している人が長く入院すると、今度は病状が悪い人たちが入院できません。

こういった例が「地域医療」と「個人の医療への満足度」との隙間になります。
地域医療の構想は、個人の満足度の増加と完全に比例するものではないということです。

医療提供者の立場では、集めた保険料をいかに効率よく、市場(というと語弊があるかもしれませんが、、、)還元できるかどうかが、地域医療に貢献する医者かどうかということになります。
上記の例でいうと、冷たく「駄目です、退院です」と言い切れる医者が地域医療にとっては良いということになります。

その他、医者としては、効果が高い検査や治療に精を出して、効果が低い検査や治療に手を出さないということでしょうか。
簡単に言いましたが、このやり方は少なくともある一定の人々を見捨てることになります。この言い方は感情的なので、ある一定の人々へのサービスの質、量を低下させることになります、と言いなおします。
極論すると価値の創造性がない人は根治的な治療の適応ではなくなり、対症療法のみとなります。
これもまた極論ですが、逆に多くの人を救いすぎる、すべての人を救おうとしすぎると、効率性が落ちます
(救うという語彙が単なる救命か手助けかによって意味はまたことなりますね)


これが正しい社会かどうかは、医療者だけでなく、みんなで決める必要があるでしょうね。
医療者だけで話し合うと意見が偏る可能性が高そうです。

高齢者だけでなく、中年、若年、青年、少年も含めた住民、行政、保険者、医療者が話し合って、最大多数の最大幸福を目指すべきではないでしょうか?
サービスの質を落として、保険料を落とす意見になったり、自分の家族を思うと逆にサービスをあげて、保険料をあげる意見が出たりしそうですね。

どんな結論になったとしても、みんなで考えたことに意義はあると思います。

記載:江口仁

2016年3月8日火曜日

花粉症の季節になってきました

梅の花も終わりが近づいてきたのでしょうか?当院の庭の梅の花も徐々に枯れつつあります。
しかし、もうすぐ桜の時期だと思うと心躍りますね。

一方、この時期心躍らない方々もおられるのではないでしょうか?
そう、花粉症です。
大体この時期から4月末まで、、、長いとゴールデンウイークまでという期間ですね。
花粉の治療も徐々に多様化しており、内服一本ではなくなってきました。
減感作療法なども含めて、あらゆる選択肢を考慮したいところです。

尚、当院では特殊な治療は行っておりません(笑)
一般的な内服中心の加療になります。

2016年1月26日火曜日

インフルエンザ

とうとう今年もインフルエンザのシーズンになってきました。
A型、B型ともに出ていますが、A型が優位にでています。

ただし、今回の大雪で少し減るのではないかと予測しています。
寒いのになんで?と思われるかもしれませんが、人の動きが寸断されたためです。
インフルエンザにかかるためには、隣にインフルエンザの人の接触が必要です。
南極に裸で一人立っていても、インフルエンザにはかかりません。

マスクと2mほどの距離があれば、インフルエンザの人から出る(特に咳嗽)ウイルスはかなり減ると言われていますので、家族がかかった場合は部屋を隔離してマスクをしましょう(かかった人が)。

このシーズンの人混みはかなり感染しやすいです。
映画館やショッピングモールなどは十分に注意してください。
とはいえ、学校、幼稚園、職場が中心に感染が広がっている印象が強いですから参考程度にですね。。。

2016年1月12日火曜日

風邪の予防

前回の話の流れで風邪の話題です。

よく患者さんから「こじらせたくない、早く治したい」というお話を聞きます。
当然ですよね。
自分自身も(特に開業医は変わりがいませんから)こじらせたくないし、早く治したいし、まず予防したいです。

さて、こじらせたくない、早く治すために有用なのは何でしょうか?
現在の私の理解では、睡眠、水分、栄養です。

あれ?薬は?と思うでしょうが、薬は症状の緩和に使っており、根本的な治療ではありません。
感冒の原因は風邪ウイルス。
風邪ウイルス自体を減らす、殺す、増殖を抑える薬は存在しません。
抗生剤、抗菌薬は細菌感染に効果がありますが、ウイルスには効果がなく(早く治らない)、
こじらせない効果もありません。

それどころか、消化器症状の副作用や薬の飲み合わせが懸念されます。
(糖尿病や血をサラサラにする薬で最近よく悪い報告が出ています)
また、地域に耐性菌と言われる抗生剤がのさばることにもなっていきます。

風邪の受診に医療者が一番気をつかうのは、
内服の調剤よりも、本当に風邪かどうかの診断だと思っています。

記載:江口仁

2016年1月5日火曜日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

当院は2016/1/8より通常業務が開始しました。
ぐっと冷え込んできたためか、感冒の患者さんが多く来院されています。

風邪の予防は手洗い、うがい、睡眠時間。
風邪の治療は安静が一番であとは水分摂取、サポートに内服です。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。