2016年11月29日火曜日

AIの時代がやってくる


慶大のAI、医師試験合格に近づく 正答率55%超に
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG17H3Y_X11C16A1TJM000/

医療にもAIが活躍してくれそうです。
AIが徐々に進化して、国家試験にはもうすぐ合格しそうですね。

医師の仕事ももっと変わっていくでしょう。と、言うより変わっていかねばなりません。

・風邪かどうかが心配である
・悪性腫瘍があるかどうか心配である

こういった心配に対してはAIは強いと思われ、風邪の可能性が〇%、悪性腫瘍の可能性が〇%と出てくるでしょう。これで安心安心。



医療とは、ただの手仕事ではなくアートである。

有名な臨床医オスラーさんはそう言っています。
勿論科学も大切って言っていますのでご安心を。

おそらくAIは科学的な部分を大きく担ってくれます。
その時、医療者はアートの部分を担う必要があるのかもしれません。

記載:江口仁

2016年11月15日火曜日

Living will

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リビング・ウィル英語living will)とは、生前の意思という意味英語の音訳。生前に行われる尊厳死に対してであれば「尊厳死の権利を主張して、延命治療の打ち切りを希望する」などといった意思表示のこと。

Wikipediaより

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個人的な経験ですが、高齢者施設から運ばれてきたときに、延命治療を含めた処置について意思決定がされていないことが多いです。

高齢者施設に入所すると言うことは、相応に弱っているということです。
介護度が出るということは、相応に弱っているということです。

是非、入所に至った場合や介護度の申請をした場合は、家族間でリビングウィル、延命治療の有無、食事がとれなくなった時の対応などについて話し合いましょう。
本当にぎりぎりになったときには、本人は話せないこともありますし、意思表示が難しいときもあります。

また、病状が悪化した時に、辛い話はしたくないのが人情です。
誕生日や米寿などのお祝いの席で話すことをお勧めします。

命は強いものであり、はかないものでもあります。



記載:江口仁

2016年11月8日火曜日

インフルエンザワクチンの接種が始まりました

インフルエンザワクチンの接種が始まりました。
基礎疾患がある患者さんや体力が落ちている年配の方にはお勧めです。
接種することで、重症化予防や入院しなくて済む可能性が高まる報告があります。

*お値段*
65歳未満は3500円
65歳以上は1500円(佐賀市など)

火曜日、水曜日の午後の接種は比較的待ち時間が短い傾向にあります。
12月初旬までは予約不要ですので、体調がいいときに来院をお願いします。

最近は流行が早かったり、遅かったりするので打つタイミングが難しいですが、
10月末~12月初旬に打つ方が多いですね。

2016年10月18日火曜日

マスコミの医療を否定する報道に対する見解

週刊誌に高コレステロール血症の内服薬などの内服薬を否定する記事が出てから、
数は少ないですが、患者さんに「この薬飲んでいていいの?」と聞かれることがあります。

その質問に対する私の答えは……

現在のガイドライン(医療の教科書的なもの)はどうやってできていくかというと、
肯定的な論文、否定的な論文が沢山積み重なって作られていきます。

一つ一つの研究が積み重なって、メタ解析(大きなデータとして再度解析したり)、
レビューといって一つ一つの研究を読み込んで、研究の質や量を確認していきます。
もちろん中には飲まなくていいという論調のものもあると思います。
しかし、総意として飲んだほうがいいというときに「飲むべし」というお話になります。

尚、医師の中には「この研究がいい研究であるから、他の論文と比べて治療戦略に優先的に取り入れる」ということもあり、医者ごとの治療方針の違いになったりしていきます。

このように一つの論文で決めることなく、様々な論文を積み重ねて判断していきます。

ですから、画期的な治療の論文が一つ出たとしても、私自身はまだふーんとしか思いません。( ´_ゝ`)フーン
その後2~3本同様の論文が出てくると、世の中の論調としてこの方向性にあるのだなー。と考えていきます。

もし、過剰な医療や過剰な検査が気になるのであれば、週刊誌を読むより、
Choosing wisely Japanなどのサイトを訪ねてみるほうがお勧めですよ。

記載:江口仁

2016年10月11日火曜日

インフォームドコンセント(説明と同意)とパターナリズム

インフォームドコンセントとは、説明と同意。

A治療は、〇のリスクがあり、△の治療率です。
B治療は、〇のリスクがあり、△の治療率です。
C治療は、、、

パターナリズムとは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉すること(Wikipedia)

貴方はA治療だ。
(説明なしに)では、薬を出します。


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日本では、パターナリズムが先行して病状説明、治療がなされてきました。
あまりにもパターナリズムが多くなり、インフォームドコンセントが台頭してきました。
自分で方針を決めなさい。患者さんの自己決定権の復権です。

しかし、臨床では決めれないことが多々です。
パーセンテージだけでは、どうしていいのかわからなくなることが多いのです。
一つの理由として、日本人は西洋人と比較して、自己決定を好まない人種とのことです。

寿司屋では、お勧め。
ランチはAセット。

結局は主治医と相談しつつ、「お勧め」を選ぶこととなるのでしょう。