週刊誌に高コレステロール血症の内服薬などの内服薬を否定する記事が出てから、
数は少ないですが、患者さんに「この薬飲んでいていいの?」と聞かれることがあります。
その質問に対する私の答えは……
現在のガイドライン(医療の教科書的なもの)はどうやってできていくかというと、
肯定的な論文、否定的な論文が沢山積み重なって作られていきます。
一つ一つの研究が積み重なって、メタ解析(大きなデータとして再度解析したり)、
レビューといって一つ一つの研究を読み込んで、研究の質や量を確認していきます。
もちろん中には飲まなくていいという論調のものもあると思います。
しかし、総意として飲んだほうがいいというときに「飲むべし」というお話になります。
尚、医師の中には「この研究がいい研究であるから、他の論文と比べて治療戦略に優先的に取り入れる」ということもあり、医者ごとの治療方針の違いになったりしていきます。
このように一つの論文で決めることなく、様々な論文を積み重ねて判断していきます。
ですから、画期的な治療の論文が一つ出たとしても、私自身はまだふーんとしか思いません。( ´_ゝ`)フーン
その後2~3本同様の論文が出てくると、世の中の論調としてこの方向性にあるのだなー。と考えていきます。
もし、過剰な医療や過剰な検査が気になるのであれば、週刊誌を読むより、
Choosing wisely Japanなどのサイトを訪ねてみるほうがお勧めですよ。
記載:江口仁