2015年9月8日火曜日

平均寿命と健康寿命

今回のお話は、平均寿命と健康寿命のお話です。
先日のブログの一部に載せましたが、非常に興味深い話題だと思いますので、再掲してコメントしたいと思います。

出典:厚労省:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002c3vx.html

このデータを見て……
思うところ2点ありますね。

1.意外と健康寿命が早い
 70~73歳が健康寿命になりますが、皆さんどのように感じられるでしょうか?
自分が世代が近ければ、きっと意外と早いと思われるのではないでしょうか?
75歳を超えても元気な人は元気ですものね。しかし、これは平均値なので、もちろん60歳でも健康寿命が尽きてしまう人も居るわけなんですよ。見ないのは出歩けないからです。

 65歳から年金をもらうとするじゃないですか。健康なうちに年金をもらえるのは平均5年ですよ。これからもっと働かなければならない年齢が増えるとすると、健康なうちに年金をもらえる時間はどんどん減っていくでしょう。健康で元気ならば働けっていう論理もありますよね。逆に年金は健康寿命まではもらえないというのも納得できるような気もします。

 子には迷惑かけん、かけたくないという貴方。もうすぐ健康寿命が尽きてしまいませんか?
そろそろ介護保険の申請を検討してはどうでしょうか?

 子世代から見るとどうでしょうか?
「親父がこがん弱っとるってしらんやったばい」
「かあちゃんどうにかこうにかくらしよろー」
と、言いたいですが、健康寿命が過ぎると生活に制限が出てきます。(そういう定義ですから)
買い物が一苦労、お風呂が一苦労。
親が65歳以降は特に、介護の手が必要でないか、親孝行すべき時ではないかを自問せねばなりません。都会に出稼ぎに出ている人も多いですから、知らないうちに弱っていたとならないようにご注意ください。

一緒に親と旅行に行きたいと思っている方、一番楽しめるのは60歳代までです。(統計的には)

2.女性のほうが健康寿命がつきてからが長い

 ピンピンコロリがよかもんねって言いますが、通常そうはいきません。
ご覧のとおり、男性9年、女性12年ほど平均寿命と健康寿命に差があります。
まあ、どこまでをピンピンというかによりますが(笑)
目立つのはその性差にあります。
健康寿命と平均寿命の差は女性のほうが3年ほど長いのです。
女性としては長寿で長生き、だけど、健康寿命は比較的短めとなります。

経験上、この原因は女性の骨粗しょう症、筋骨格系の問題である可能性が高いと考えています。
いわゆるロコモ的問題ですね。
閉経すると骨粗しょう症が進んでしまいます。
内服治療ももちろんしていますが、是非とも
体重コントロール (肥満は膝や腰を痛めます)
運動 (筋肉によって関節を保護しますし、屋外の運動でビタミンDを介して骨を強くします)
栄養 (炭水化物などに偏った食事に気をつけましょう)
を気を付けて、健康寿命を長く保ってほしいと願っています。

記載:江口仁