2016年12月27日火曜日

お正月には「死」について語ることをお勧めします

通常タブーとされる死について家族内で話すことはなかなかないでしょう。
それが比較的話しやすいのは、「お正月」と「誕生日」です。
おめでたい日ですが、一歩死に近づいた日です。



・なぜ死について話すべきなのか

1.終末期の医療について自分や家族が困らないように
終末期の医療は生への渇望と、倦怠感や疼痛からの逃避と、家族の不覚悟、エゴが混ざり合います。
自分では不要と思っていた終末期の延命治療などをすることになったり、
子供は親の死ぬタイミングを自ら決めるというストレスに晒されることになります。
子供がとった選択肢について、他の親戚がクレームをつけることもあります。
事前に話し合って、自分がこうしたいという意思があれば皆ハッピーです。
本人がそうしたいと言っているといえば、だれも文句は言えません。

2.死について話すとよりよく生きることが出来る
死を意識すれば、よりよく生きようというモチベーションになります。
数週間前に死を意識している人の活動は死を意識していない人の活動よりよりいいという研究結果が出ていたようです。
子供、家族は死を意識すれば早めの親孝行ができます。
仕事や家庭が忙しいと言って、親孝行のタイミングを逃す、そんなこともあります。


・何について話すのか

1.食べることが出来なくなった時の医療について
「自分でめしが食えんくなったときにどがんすんね?」

老衰で食べられない、病気で食べられない、認知症で拒食になるなど、人の多くは死ぬ前に食べることが出来なくなっていきます。
その時に、点滴や胃ろう(胃ろうは制度上できなくなりつつありますが、、、)、経鼻栄養などをするのか。
食べることが出来る範疇でいくのか。

2.予防や侵襲的な検査、治療について
「きったりはったり、まだすんね?」
年齢が上がるにつれて、予防的な検査のメリットが低下していきます。
50歳で早期の大腸がんが見つかれば、運命は10年20年変わるでしょう。
しかし、80歳で大腸がんが見つかっても、運命は10年20年変わらないでしょう。
その他の病気や治療に耐えることが出来ないからです。
(*年齢で決めつけず、本人の体力を考えるべきですが疫学的に分かりやすい例としました)


病気や死は思ったより身近にあります。
30歳で大腸がんや甲状腺がん
50歳で脳梗塞で食事が不可能になる
60歳でくも膜下出血で反応がなくなる

一方、90歳超えても元気な方もおられます。

人は強く、弱いものです。

是非、今年のお正月には、今年の抱負に、死について一言を加えてくださいね。

記載:江口仁

2016年12月23日金曜日

年末年始の診療のお知らせ

今年もあと数日残すのみとなりました。

2016年年末の診療日は下記のとおりです。

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12月28日(水) 午前、午後ともに診療
12月29日(木) 午前中のみ診療
12月30日(金) 午前中のみ診療

12月31日(土)より2017年1月3日(火)まで休診

1月4日(水) 午前、午後ともに診療

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以降は、通常通りの診療日となります。

定期薬が連休中に切れてしまわないようにご注意ください。

尚、インフルエンザワクチンは12月中は予約なしで接種が可能ですが、非常に混みあった場合は不足する可能性があります。

では、風邪をひかないように、手洗いうがいを欠かさず、人混みを出来るだけ避けてお過ごしください。
子供たちが冬休みに入っており、毎年ショッピングモールは感染率が高くなっている印象があります。

記載:江口仁

2016年12月20日火曜日

インフルエンザの流行期に入っていますが、、、

38度を超える発熱の患者さんにインフルエンザ検査キットで精査するも検出しないことが多いですね。
感冒症状で受診した患者さんの1割程度です(感覚的に)。
尚、有効期であれば症状などから検査はせずとの診断は下すことが出来ます。

ちなみに、持病がない体力のある成人は感染に対して神経質になりすぎても意義が乏しいです。
インフルエンザといっても全員高熱が出るわけでもなく、咳だけのこともあります。(論文で見たことがあります)
更に無症状に近い人もいます。なぜわかるかと言われると、無症状だけど検査希望の人がいるからです。

ですので、感染拡大予防に対してインフルエンザの検査キットはあまり有用な印象はありません。
(論文ではみたことないですね)
更に治療の面で言えば、症状を早く抑える抗インフルエンザ薬を症状が軽い人が使うメリットは少なく、やはり検査の意義は乏しくなります。

むしろ大切なのは発熱時には休むことや咳エチケットです。
何より手洗い、うがいをしっかりして、睡眠時間を十分にとりましょう。

記載:江口仁