2019年3月7日木曜日

失神 ~講演会伝道~

「失神」についての講演を聞いてきました。

失神は一過性意識消失発作(一時的に意識がなくなる発作)の一つですが、一過性意識消失発作には、失神の他に、てんかん、心因性発作などがあります。それぞれの意識消失の仕方には特徴がありますが、診断をつけるのは専門家でも難しいこともあるようです。

失神には、反射性、低血圧、心原性(心臓が原因の失神)があり、心原性が最も予後が悪いです。失神の15%が心原性で、そのうちほとんどは不整脈が原因とのこと。なので、心原性の失神を現行犯で捕まえることが大事になります。発作が起こっている時に心電図を記録することです。

心電図は近年いろいろ出てきました。健診で良く行う数十秒横になっていれば終わるものもあれば、2泊3日ほど電極をつけて帰って記録するもの、1~4週間ほどベルトを着脱しながら記録するもの、体に埋め込んで2~3年記録するもの、発作の後にボタンを押せば記録が残るものなどです。体に埋め込む心電図は、体に傷も入るので、段階を踏んで行います。段階を踏まないと保険も利かないようです。認知の制限がある高齢者には、ベルト式をお勧めされていました。発作の頻度に寄っても心電図の選択が変わります。

迷走神経反射(緊張状態で長く立っていてパタンと倒れる失神)による失神は、予後は良いですが、繰り返すと怪我もしますし危険です。8割の人が良くなるトレーニングがあるそうです。ためしてがってんでも紹介されたとのこと。テレビの情報も嘘ホントがありますが、これは大丈夫そうです。ただトレーニングには時間(5分~30分)が必要なので根気が要りそうです。

気を付けなければならないのは、不整脈を起こす迷走神経反射やてんかんがあることです。不整脈の起こし方には特徴があるようですが、この疾患を知らないと、不整脈→即ペースメーカー(心臓のリズムを整えてくれる機械)ということで、機械を体に入れることになりますが、迷走神経反射にペースメーカーを入れても予後は良くなりません。てんかんには抗てんかん薬を飲めば8割の人は発作がなくなるようです。Tilt試験(起立性血圧の試験)が陽性の場合は、不整脈があっても血管迷走神経反射であることもある(多い?)ようです。

その他、
・血液サラサラの薬の中には、低用量でエビデンスがないものもあるので要注意。(効果がないかは分からない。あるか証明されていない。)
・失神の後、運転して良いかは、日本不整脈心電学会に基準があるので参考にされたし。

小さい娘息子を夫に預けて講演会に参加しましたが、大変勉強になりました。サポーターに感謝です✨4月から火曜日午後枠に復帰します。よろしくお願いします。