2015年7月28日火曜日

佐賀県の総合診療部、総合診療科、プライマリケア

プライマリケア学会によると、佐賀県の総合診療科として登録してある病院は、
佐賀大学医学部附属病院
嬉野医療センター
やよいがおか鹿毛病院
と、登録があります。
しかし、2015/7/28時点では嬉野医療センターや鹿毛病院のホームページには
総合診療科の記載がありませんね。

実は佐賀大学附属病院の総合診療部のOBだけでも、佐賀市内にもっと存在しています。
クリニックで働いている先生も二次病院やリハビリ病院で働いている先輩もいますよ。

スタッフ案内のどこで研修をしたかなどをホームページなどで確認するといいかもしれません。

2015年7月21日火曜日

暑さに伴い熱中症が増えています

みなさんこんにちは。佐賀の梅雨ももうすぐあけそうですね。
7月も下旬に入り、熱中症の患者さんが増えつつあります。

やはり多いのが屋外の作業者で、農業、工業系の職業の人が多く受診されます。
続いて多いのは学生ですね。特に日中の試合などで熱中症になる人が多くなっています。

一般的に熱中症と言えども程度の差があります。

一度の熱中症は めまい、倦怠感、筋肉痛などで
二度になると、頭痛や嘔気などの症状になります。
三度が一番重症で意識障害、けいれん発作などが出現します。

ほとんどの患者さんが点滴で帰宅できますが、特に三度は入院加療が必要になります。
(よって当院では対応できません。と言うより救急車で救急病院に運ばれるケースが多いと思います)

予防には適度な休憩、水分摂取、塩分摂取ですが、特に水分摂取ですよね。
3リットル飲んでも起こす人は起こします。

ここで個人的に非常に良いと思っているアドバイスが2つあります。

1つ目は予防に関するもの。
2つ目は救急車の適正使用について。

1つ目の予防についてですが、脱水の良い指標があります。
それはおしっこ
おしっこは腎臓で作られますが、水分調整をする機能がついていますので、
体に水分が余っているときは薄いおしっこが沢山出ます。
逆に、体に水分が余っていないときは濃ゆいおしっこが少しだけ出ます。

屋外で働く人は2~3時間に1度しっかりおしっこが出るくらいの量を飲んでおくといいでしょう。
実際、熱中症で救急車で運ばれてくる人は点滴を1リットルしても、おしっこがなかなか出ないほどの脱水の人が多いです。

2つ目の救急車の適正使用についてです。
勿論、三度、重症の人は救急車を使用すべきだと思います。
しかし、一度~二度の動ける人ならば、タクシーでの受診をお勧めします。
熱中症はあぶない!!という概念は良いのです。
が、猫も杓子も救急車は適正とは言えないと思います。
判断が難しい場合は地域の消防局に聞いてみるのも一つの手段ですよ。

2015年7月14日火曜日

在宅医療の推進

厚生労働省は在宅医療を進めようと在宅専門の診療所を認める方針

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS09H4Q_Z00C15A7MM8000/

厚生労働省が在宅医療を推進しようと条件を緩和していくみたいです。

24時間365日を医者一人で頑張っておられる往診するクリニックはもちろんありますが、
これ以上広まるかと聞かれるとなかなか難しいのではないかと思います。
一人での往診クリニックは比較的体力がある医師しかできません。

人は誰でも長時間勤務や夜間の労働は体に悪い影響を及ぼします。
(こちらは医学的なデータが出ています。たとえばHealth and safety problems associated with long working hours: a review of the current position.
体を壊すということは長期的な医療サービスの提供が出来ないということです。
ですから、在宅医療もチームでやらないと広く展開できないのではないかと思っています。

2015年6月30日火曜日

6月20日 佐賀大学総合診療部同門会に参加しました

もう六月も終わります。
一月からちょうど半年が過ぎたことになり、江口仁が勤務に入ってから三カ月が過ぎました。
少しずつシステムに慣れつつ、病院とは違う形での気軽スピーディーな診療を展開しつつあります。

話は変わりますが、10日前(6月20日)に佐賀大学総合診療部の同門会に参加しました。
同門というとあまり聞いたことがない人もいるかと思いますが、要は部活のOB会みたいなものです。
総合診療部の現メンバーだけでなく、総合診療部を卒業して各病院に勤務している医師も参加しています。したがって、昔非常にお世話になった先生も参加されていますから、昔話に花が咲いて時間が足りませんでした。
また、後輩がすごく逞しくなっていて感動しました。

総合診療部と一括りにしてはいけないのではないかと思うほど、
勤務している医師の個性働いているスタイルは異なります。
一般内科勤務医、クリニックの医師、高齢者医療、2次救急、僻地診療所、リハビリ病院などなど。
勿論、大学病院の勤務医も多く参加しています。

患者さんから見ると、こっちの病院からあっちの病院に移ったけど、出身は同じ総合診療部ということがあります。研修医から見るとスキルアップ、キャリアに多様性のある診療科と言えるのではないかと思います。

2015年6月24日水曜日

予後1年の患者さんのスタチンは辞めても良いよ、の論文紹介。

抄読会で読んだ論文の紹介です。

癌などの理由で、後生きられるのは1ヶ月~1年と予想される患者さんが、
ここしばらく心血管系の病気を起こすことなくスタチン(高脂血症の薬)を飲んでいた場合、
そのスタチンを辞めたらどうなるか、の研究論文です。

結果、どうもならない。
スタチンを辞めなかった人たちと比べて、
早く亡くなる訳でもなく、
心血管系の病気を起こす訳でもない。

スタチンは、心血管系の病気を起こさないための予防や
病気を起こした人が次に心血管系の病気を起こさないための予防で内服することが多いですので、
この結果は、予後の短い患者さん限定ですが、
スタチン辞めても良いよ、ということになります。

薬を辞めるのは勇気が要ります。
高齢の患者さんに対して、
必要のないお薬じゃないかな、と思いながら処方し続けたり、
患者さんも変化を嫌がって内服を希望されることが多いですが、
薬を1つ減らすだけで患者さんの生活の質は上がるし、
余計な副作用を考える必要もなくなります。

あなたの予後は1年未満です、とはなかなか限定しにくいので、
もう少し長い予後、
高齢者の5年、10年での検討が欲しいなというところですが、
ご高齢中のご高齢の方(90歳以上とか?)は、
辞めることを検討しても良いかと思います。
そもそもだんだん食が細くなるので、
コレステロールが上がることは少ないように思いますので、
辞めてみての再評価も必要ですね。

薬を出す時は辞める時のことを考えながら出したいものです。