2015年8月25日火曜日

平成26年度 高齢者の日常生活に関する意識調査結果を閲覧して… Part1

内閣府の調査である、「高齢者の日常生活……」を閲覧しました。

高齢者が気にしているのは大きく2点と読み取りました。
健康問題経済問題です。

この二つは幸福感や満足度と関連もありそうです。
健康な人は経済的にも恵まれるでしょうし、経済的に恵まれている人は健康である可能性は十分にあり、通常は重回帰分析などで個別に解析するのが筋でしょうが、大まかに見ても十分関係しそうな印象です。

さて、健康問題と経済的な問題。どちらをより心配しているのでしょうか?

答えは健康問題です。

一番上の黒のラインが今回の調査で下の様々な模様が前回までの調査になっています。

生活苦などが一番テレビやネットで取りざたされていますが、収入としては3割の人が心配しているのが現状のようです。
(テレビはほぼ見ないですが(^^;)
















出典:内閣府:http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/gaiyo/index.html


では、みなさん心配している、要介護にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?


まず、要介護の原因を知りましょう。

出典:内閣府:http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/zenbun/s1_2_3.html

脳血管疾患が比較的多く、関節疾患、認知症、衰弱(フレイル)が多いです。
どうすればいいか?

すごく簡単に言ってしまえば、
疾患のコントロールはかかりつけ医に任せつつ、
食事療法や運動療法を行うことが大切です。

女性の心筋梗塞などの原因の75%は生活習慣に起因する論文もあります。
(ただし、人種が違いますが)
運動は心血管リスクを40%以上減らし、認知症のリスクも30-50%軽減します。

また、個人的には40歳くらいからの生活習慣が大切だと思っています。
過去に30代後半からの生活習慣も影響するという論文を見た覚えがあります

「おじいちゃんテレビの前からぜーんぜん動かんもんね」
と、言っている貴方は一緒にウォーキングに行きましょう!

「おばあちゃん、好き嫌いばかりしてから…」
と、言っている貴方は一緒に食事療法に取り組みましょう!!(^^)/

2015年8月18日火曜日

総合診療医と言えども……

総合診療医と言えども、様々なタイプの医師が居ます。
見た目も、性格もみんな多彩ですが(笑)

まずはクリニックを中心に家庭医やプライマリケア医がいます。
外来や在宅医療を展開していることが多いです。

二次病院を中心に病院総合医がいます。
病院総合医は高齢者の肺炎や心不全など、高齢者の入院に対応することが多いです。

三次病院にも総合医がいます。
こちらはやや特殊でかかりつけ医としてはあまり機能しておらず、
診断医を中心に活動していることが多いです。

場所のくくりだけでなく、例えば外傷や救急も対応する医者もいれば、小児科の軽症感染症まで対応する医者もいます。業務内容を検診を中心にする医者もいます。
漢方を得意とする医者もいれば、感染症を得意とする医者もいます。

総合診療医って本当に多彩です。
貴方にあった総合医と出会えれば、きっと力になってくれるはずです。

2015年8月11日火曜日

健全なる精神は健全なる身体に宿る?

と、言うのはWikiによると誤用のようですが……。
医学的にはあまり間違っていないと考えています。

精神と肉体は互いに影響しあっている

この言い方が最も正しい言い方だと思います。

精神が原因で肉体を壊します。
たとえば、うつ病と糖尿病の合併。うつ病の人は活動性が低下しますので、糖尿病の合併率もあがります。
バスの運転手さんは、運転中は血圧が上昇します。

精神が肉体を改善します。
有酸素運動はうつ病で使用される薬剤と同レベルで効果があります。
また、不眠症や神経症にも効果があります。
その他、誘惑に打ち勝つ力や節制、努力は日ごろの生活習慣に影響を与えます。

体が精神を悪化させます。
がんの告知や病気をすれば、人は誰でも落ち込みます。(何も悪いことしていないのに…など)
また、前頭葉の脳梗塞は性格の変容をきたしやすいです。

体が精神を改善します。
運動をする人は認知症を発症するリスクが軽減します。(この関係性は脳を介しています)


「いいや、ストレスは心に影響するものであって、肉体には影響しない。
 もしくは、肉体的に影響するとしても小さな影響だ!」

と、言う貴方に分かりやすいストレスに対する体の反応で分かりやすい例が2つあります。

大勢の人の前で、自作した詩を1分後に読みなさいと言われると。心臓がドキドキしませんか?
心臓の病気でしょうか?いやそうではありません。

感動するテレビや映画を見て泣いたことはないでしょうか?
眼の病気でしょうか?いやそうではありません。


このように精神と肉体は非常に影響しあっています。
肉体的に健康であるためには、精神的にも健康でなければなりません。
冒頭に書きました通り、ユウェナリスは健全な精神は健全な肉体に宿るとは言っておらず
「……強健な身体に健全な魂があるよう願うべきなのだ。」

と、語っている通り、精神と肉体ともに健康でなければ長期的な健康は保たれません。
と、いろいろと書きましたが、当院は内科を中心にサポートさせて頂いていますので、
詳しい精神的なサポートが必要な方は精神科、もしくは心療内科の受診をお勧めします。

余談ですが、「精神科はハードルが高いから心療内科がいいな」と、言う貴方。
見る医者、処方する薬はほとんどどちらも変わらない印象です。(はた目から見た医療職種の感想)
上記の通りストレスを感じること、それによって体の不調が出ることは至って自然であり、生物学的に正しい反応です。恥ずかしいなと思わずに必要なときは受診をお勧めします。

記)江口 仁

2015年8月4日火曜日

総合診療医とプライマリ・ケア

総合診療医とは何ぞやと考えたり、調べたりしているとわかりやすいサイトがありました。
NHKの視点論点より「総合診療医とプライマリ・ケア」のHPをリンクいたします。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/144343.html

総合診療という専門もあるという考え方もあるようです。
総合診療はプライマリケアとして、横断的な診療科となります。
その他の、横断的診療科としては
 感染症科(各臓器の感染症に携わる)
 麻酔科、ペインクリニック(各臓器の麻酔や疼痛に携わる)
 リハビリ科(各臓器のリハビリテーションに携わる)
などでしょうか。

そのほか、NST(栄養管理)や緩和ケアも同様に横断的チームと言えるかもしれません。
プライマリケアは初期診療としては多くの臓器、疾患に関わっています。
一般内科と違うのは、内科診療に留まらず、整形外科、皮膚科、小児科などの初期治療に関わるところでしょうか。

総合診療医、プライマリケア医って何だと思われたらぜひサイトもご覧ください。