2017年4月25日火曜日

ダイエットの基礎 食事療法編1

多くの疾患は肥満から引き起こされます。
糖尿病、高血圧、高脂血症をはじめ、腰痛症、変形性膝関節症もですし、大腸癌をはじめ悪性腫瘍も肥満と関連があると示唆されています。

肥満といえども、遺伝的、社会的、内分泌的、腸内細菌と様々な影響をうけますから、
一概に「貴方が悪い」と言えないことも多々あります。
しかし、実際は遺伝的・内分泌の薬や社会的な環境を整えることもなかなか困難ですし、食事療法、運動療法「しか」ないと言えるかもしれません。

肥満に対する食事療法、運動療法以外も実は少数ながら存在します。
昔は肥満の治療薬もあったのですが副作用の観点から実際には使われていません。
尚、アメリカでは食欲に対する心理的な治療から、食欲があっても食べられない、食事をとってもカロリーを抜くという物理的な治療に最近は移行している印象があります(出てくる研究がそっちが多い)。
しかし、肥満のために手術を受けるという人は実際少ないのが日本の現状です。

ここでは肥満に対する基礎的なことを書いていきたいと思います。
勿論、肥満学会などの専門の先生方が詳しいでしょうから、一般内科医としての現在の見地として制約があることをご理解ください。

食事療法の基礎は、
「適正なカロリーを取る」
「バランスよく食べる」
この2点で食事療法の要素の9割を占めると言って良いのではないかと思います。

続く、、、

2017年4月18日火曜日

日本病院総合診療医学会認定医を取得しました

病院総合診療医学会は、病院の勤務医に必要なスキルアップ、学習を目指した学会です。
クリニックのスキルとしては不要な部分もあるかもしれません。

聞きなれない疾患の診断の多くには画像による除外診断などが必要になります。
クリニックにあるのは、レントゲンと超音波と消化管内視鏡です。
一方、今後どのような検査や治療の展開がなされるのか、現時点で考えうる疾患は何かを提示できる能力はクリニックでも活かせるものと思います。

ただし、認定医の更新には臨床能力だけでなく論文の作成などの労力が必要です。
時間は有限であり、どういった学習プランを立てるかも悩ましいところです。
現場や地域に必要とされている知識はなんであるか、これからどのような知識が必要とされるのかを考慮する必要があります。

記載:江口仁

2017年4月11日火曜日

長時間労働と病気

長時間労働が話題になっておりますので、それに関わる病気について今日は書いていきたいと思います。

当然ですが長時間労働は健康に悪いですよね。
しかし、なぜ健康に悪いのでしょうか?

それは、健康の基礎となる「食事」「運動」「睡眠」に時間を取れなくなるからです。

良い食事は手間がある程度かかります。
時間がないと多くの人は、市販の弁当、パン、麺を食べることが多くなります。
サラダや果物、質のいいタンパク質をとる時間がないのです。
市販の弁当、パンは多くのカロリー、塩分、脂肪のバランスが悪いですよね。
また、食べるタイミングも悪くなります。
夜遅くにクタクタ、ペコペコで帰ってきて、お腹いっぱい食べてぐっすり寝る。
やはりカロリーオーバーになりがちです。

運動をするには時間とモチベーションと意志力を要します。
長時間労働は時間を削り、意志力を既に使い終わった精神力では、運動を始める、続けるモチベーションを保つことができません。

睡眠時間を削ると、自律神経の回復が十分に出来ません。
結果、血圧があがったり、食欲が増すホルモンが出ます。

長時間労働して、残業して、やっと稼いだ給料をお薬代に使うってやっぱり疑問ですよね。


体を壊すほど働く状況が好きな人をワーカホリック=仕事依存と言います。
長期的に働けるように、自己投資ししてほしいと思います。

記載:江口仁