医学的にはあまり間違っていないと考えています。
精神と肉体は互いに影響しあっている
この言い方が最も正しい言い方だと思います。
精神が原因で肉体を壊します。
たとえば、うつ病と糖尿病の合併。うつ病の人は活動性が低下しますので、糖尿病の合併率もあがります。
バスの運転手さんは、運転中は血圧が上昇します。
精神が肉体を改善します。
有酸素運動はうつ病で使用される薬剤と同レベルで効果があります。
また、不眠症や神経症にも効果があります。
その他、誘惑に打ち勝つ力や節制、努力は日ごろの生活習慣に影響を与えます。
体が精神を悪化させます。
がんの告知や病気をすれば、人は誰でも落ち込みます。(何も悪いことしていないのに…など)
また、前頭葉の脳梗塞は性格の変容をきたしやすいです。
体が精神を改善します。
運動をする人は認知症を発症するリスクが軽減します。(この関係性は脳を介しています)
「いいや、ストレスは心に影響するものであって、肉体には影響しない。
もしくは、肉体的に影響するとしても小さな影響だ!」
と、言う貴方に分かりやすいストレスに対する体の反応で分かりやすい例が2つあります。
大勢の人の前で、自作した詩を1分後に読みなさいと言われると。心臓がドキドキしませんか?
心臓の病気でしょうか?いやそうではありません。
感動するテレビや映画を見て泣いたことはないでしょうか?
眼の病気でしょうか?いやそうではありません。
このように精神と肉体は非常に影響しあっています。
肉体的に健康であるためには、精神的にも健康でなければなりません。
冒頭に書きました通り、ユウェナリスは健全な精神は健全な肉体に宿るとは言っておらず
「……強健な身体に健全な魂があるよう願うべきなのだ。」
と、語っている通り、精神と肉体ともに健康でなければ長期的な健康は保たれません。
と、いろいろと書きましたが、当院は内科を中心にサポートさせて頂いていますので、
詳しい精神的なサポートが必要な方は精神科、もしくは心療内科の受診をお勧めします。
余談ですが、「精神科はハードルが高いから心療内科がいいな」と、言う貴方。
見る医者、処方する薬はほとんどどちらも変わらない印象です。(はた目から見た医療職種の感想)
上記の通りストレスを感じること、それによって体の不調が出ることは至って自然であり、生物学的に正しい反応です。恥ずかしいなと思わずに必要なときは受診をお勧めします。
記)江口 仁