2016年4月26日火曜日

大病院への紹介状

2016/4月の診療報酬改定で、大病院を直接受診出来るシステムはハードルがあがっています。
紹介状なしで、直接受診する場合は5000円追加で支払うことになります。
これまでも救急部門などでは受診費用アップでハードルを上げていたのですが、
今回の改定で通常の受診も出来にくくなっています。

これは大病院には高いレベルの医療に専念してほしいという厚生労働省の思惑です。
(厚生労働省が悪いってわけでなく、保険料を有意義に使えるように策を練ってくれているのです)
軽症で検査を本来はしないでいい患者さんが大病院を受診することが、
(多くは「不安である」という理由で)
検査が必要で、重症もしくは特殊な患者さんの診療機会を奪っているという流れを変えたいのでしょう。

患者さんとしては心配な時に大病院でいろいろ検査してほしいという気持ちがあるかもしれません。しかし、診断という面では、経験上多くはクリニックで対応可能ですし、9割以上が中病院で対応可能です。診断後専門的な加療が必要であれば、紹介されるでしょう。

保険診療としては、金銭的にも医療の流れとしてもいい方向に流れていくと思われます。
でないと、結局みんなの保険料があがってしまいます。

将来的には、大病院として初診を担当するのは苦手になる可能性もあります。
その代わり、中小病院が初診の診断能力が高まるのでしょう。
研修医レベルでいうと、大学での研修では初診を取ることがさらに困難になりそうです。

大病院は原則治療のみ。
診断は中小病院、診断困難な場合のみ大病院という能力が固定していくのかもしれません。