2016年8月23日火曜日

医師の偏在はコミュニティの崩壊の一部

久々の投稿となりました。


今日の話題は「全国の医師の勤務先などの情報集めたデータベース作成へ」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160820/k10010643151000.html
です。

先日、NHKで報道され、ネットでも話題になりました。
医師の勤務先や所属する科をデータベース化するというお話です。

記事の中では、足りない科の医師を把握するというのが理由となっています。
しかし、医師がこの手の報道に敏感なのかと言えば、その理由の一つにあがるのは
「職業の自由や住居の自由を奪われるのではないか?」
という不安です。
実際、海外ではどの科に進むのかなどは制限されていたりしています。

日本の医師は医師免許を取得した後は研修医を経て、自分の好む科に進みます。
各科によって行う業務や病態がかなり違うので、やりがい、収入、訴訟リスク、ワークライフバランスなどを模索しつつ進路を決めます。
研修医としては、乳幼児、小児に対する訴訟リスクが高いことやお産が時間を選べないことも重々分かっているでしょう。また、少子化時代に患者さんが少ない科に行くことは、20年、30年後に職種として食っていけない可能性も考えることでしょう。

記事の中で、小児科、産婦人科が敬遠されている理由の一つと思われます。

また、すでに厚生労働省は必要医師数実態調査を行っています。
細かな情報の把握は強制的な配備を思わせるが故に医師は不安になっているものと考えられます。

では、僻地の医療をどう支えるのか。
限界集落に医師が居ても、既にコミュニティが崩れていっています。
つまり、医師の偏在はコミュニティの崩壊の一部であるともいえます。