2011年4月8日金曜日

新築の診療所に移転しました!

旧医院の同じ敷地内に、新築、移転いたしました。
ハプニング続きで大変でしたが、何とか。
4月8日より、新医院で診療を開始しています。
住所、医院名などに変更はありません。

先週は、業者さんの出入り、患者さんの出入り、検診さんの出入りで
今週は、だいぶ落ち着いて来ました。
後は、まだ、ちょこちょこ気になる所を手直ししていいる最中です。

旧医院を取り壊すまで後一か月ほど、
迂回して新医院に入っていただきます。
雨の日には、足元が悪いかと思いますが、どうぞ気をつけてお越し下さい。

看護師さんを含め、お引越しをしていただいた方々には感謝です。
お祝いなどもありがとうございました。華やかになりました。

今後とも、当医院をどうぞよろしくお願いいたします。

2011年3月15日火曜日

AEDの値段がだいたい分かった。

AEDは韓国製が安くて25万くらい。
本体の保証期限は5年。
充電バッテリーの保証は2年で、充電方式。3か月おきの確認が必要。
使い捨てバッテリーが別売りで52,000円。保証期間やチェックの必要性は不明。
成人用パッドは12,000千円。保証は1年半。
小児用パッドは20,000。保証は2年半。

日本製は32万。
本体の保証期限は5年。耐用期間は6年。 
バッテリー寿命は3年。電気ショック30回。買い替えるなら4万円。
成人パッドは12,000円。使用期限は概ね1年半。
小児パッドは別売で22,000円。使用期限は2年3か月。

外国製で高いのは35万。
使用期限は本体5年。耐用7年。
バッテリーは寿命4年。電気ショック300回。買い替えに6万3千円。
成人パッドは1万2千円。使用期限2年。
小児用パッドは別売りで1万9千円。使用期限2年。
ただ、アメリカでのAEDの21%はリコール製品らしい。

保証期限とはどういくことだ?修理にお金がかかるというだけで、期限が切れても使い続けて良いのだろうか。
10年間本体を買い替えずに使い続けるとすると、
韓国製は250,000+12,000×6=322,000円。バッテリーは値段不明。チェックしながら使い続けるのか?
日本製は320,000+40,000×3+12,000×6=512,000円。
外国製は350,000+63,000×3+12,000×4=587,000円。

分からないことがあり過ぎる。業者に聞くのが一番だけど、購入を決めないうちに聞きにくい。

月々6300円で5年契約のレンタルAEDを発見。6,300×12×10=756,000円・・・。
メンテナンスは面倒だけど欲しいなら買うな。

BLS講習会:一人CPR

心肺蘇生の講習会に行ってきました。
AHAガイドライン2010を習ってきました。
BLS(Basic Life Support)とは、心肺停止状態の人に対して行う救命処置です。医療に従事しない一般人も行えます。講習会にも、救命士さん、看護師さんなど、いろんな人が来ていました。

● 一人心肺蘇生の方法
倒れた人、倒れる人を見かけたら、
1.反応をチェック
 「大丈夫ですか!?」
 半身麻痺もありえるので、両肩を触る。
2.呼吸をチェック
 2005年と変わったところは、何秒以内、以上という規定がなく、瞬時に行うということ。
3.救急対応システムに通報し、AEDを依頼する。
 「誰か来てください。119番通報とAEDをお願いします。」
4.頸動脈で脈拍をチェック
 10秒以内。
5.心臓マッサージを30回。
 「1,2,3,4・・・30」
 乳頭と乳頭の中心に、両手を重ねて置き、指は軽く組み、1分間に100回以上。
 深さは5cm以上。(これも2005の4cmから変更)
6.頚椎損傷の心配がなければ、頭部後屈で人工呼吸を2回。
 1秒1呼吸。胸郭が膨らむのを確認する。
7.心臓マッサージ→人工呼吸を繰り返す。

AED(Automated External Defibrillator)は、日本語で自動体外式除細動器です。心臓が止まった人に電気ショックを与えて心臓を動かす道具です。電源入れて、パッドを付けて、コードをつないで、心マを止めて解析を待ち、必要があれば、全員離れてショックボタンを押す。CPR再開。最近はちょこちょこ見かけます。正直言うと、残念ながら当院にはありません。予算とメンテナンスの問題みたいです。欲しいです。佐賀県のAED設置施設が紹介してあるサイトを発見。
http://www.pref.saga.lg.jp/web/kurashi/_1019/ki-kyukyu/aedsetti/aed-sisetu.html
一番近いAEDははがくれ荘や佐賀共栄銀行になるでしょうか。救急車とどちらが早いか。AEDの値段は結局分かりませんでした。英語のだったら11万くらいであると聞いたような。でもどうせ買うなら誰でも扱えるモノが良いと思うし、有効期限や点検も必要と考えるともっとかかるだろう。電極パッドは製造から1年半から2年、バッテリーは製造から2年から5年が使用期限のものが多いらしい。そうするとリースが良いのか。値段が分からないので検討しようがない。ポケットマスクは私が買ったのを常備しときます。

心臓マッサージはだいたい2分間で人工呼吸係と交代するのですが、結構きつかったです。背筋は1,2日、腹筋は3,4日くらい痛かったです。日頃の運動不足は承知しておりますが…。ACLSに向けて腹筋し始めました。

2011年3月8日火曜日

虚血性心疾患と最新治療

先日の講演会の後半編。

心疾患での死亡は日本で第3位。

虚血性心疾患は、心臓に血が行かなくなる病気です。心筋梗塞や狭心症を指します。心臓を栄養する血管、冠動脈が詰まったり、細くなったりすることで、そこから先の心臓を動かす筋肉(心筋)が死んでしまったり、正常に動けなくなったりします。

虚血性心疾患の治療に、心臓を栄養する血管にステントという筒を広げて治療する方法がありますが、最近は薬剤溶性ステントというのが流行っているらしいです。ところが、長期予後には、薬剤溶性のものも、そうでないステントも変わらないらしい。でも、再狭窄は薬剤溶性のものの方が少ないと。ということは、再狭窄の治療が少ない薬剤溶性の方がやっぱり良いのかな。

ステントには、単純な筒状のものもありますが、複雑に枝分かれしたりするものもあります。もちろん、複雑に枝分かれしたものが後から開発されたものですが、複雑なステントの方がステント血栓症は少ないらしい。ステント血栓症は、心臓を栄養する血管にステントを置いてきたときにおこる合併症。異物が体の中に入るので、ステントの存在自体や、血管の内側のコーティングをステントを置くときに傷つけることによって、体の血を固めるシステムを動かして、血の塊を作るのではなかったかしら。

ステントは、60秒間ゆっくり膨らますのと、20秒間3回膨らますのとでは、20秒3回の方が再狭窄率は低いらしい。

専門家からの視点としては、ステントの症例はやっぱり増えているとのこと。外科に相談する症例としては、再狭窄例、特に左主幹部の。と、左主幹部+びまん性の狭窄例らしい。

と、面白かったのでついつい書いてしまいましたが、専門的な話は置いといて。。。

最近流行りの?心臓CTについて。
心臓カテーテル検査という負担の大きい検査をしなくても、心臓血管の狭くなっている状態が分かるということで、心臓CTが検査の選択肢にあがってきています。負担が少ない点は大きなメリットですが、造影剤を使用する量、X線に被曝する量は、カテーテル検査の12倍らしいです。でもやっぱり造影剤アレルギーでもない限り、CTを選びたい気はしますね。

総合と関係ある話としては、
糖尿病の治療がここ10年ですごく発達してきましたが、平均寿命が普通の人より10~13歳短いという結果は、短縮されていないそうです。残念。コントロールが甘いのかな。血糖を下げるだけじゃダメ?まだまだ、ということですね。

血圧を1mmHg下げると、心血管のイベントは4%下がるらしい。これは大きい。1mmHgでも下がるよう努力すべし。

ミカルディスは糖尿病の新規発症を抑えるとのこと。これはちょっと共催者の息がかかってそうだけど嘘じゃないでしょう。リスク高い人には使ってみるか。処方時にそこまで頭が回れば。

何とあれ、虚血性心疾患の治療には生活習慣の管理が大事!!とのこと。わかっちゃいるけど難しい。努力、応援すべし。

報告終わり。次は土曜日に行ったBLS講習について。カナ。腹筋の筋肉痛が今朝やっと治っていた。。。

2011年3月1日火曜日

酸化ストレスと心疾患

先日、循環器の講演会に行ってきました。

酸化ストレスと心疾患について。

酸化ストレスは、老化や全ての疾患の根本となるもので、体に悪いもの、というイメージで聞いていましたが、折角なのでグーグル先生に聞いてみました。酸化ストレスは、体の中で組織を傷つける力と、それを修復する力の差を指すようです。身体の中で細胞がエネルギーを作った老廃物や、外から入ってきたものからの攻撃(ばい菌とか?)、要らない細胞の処理、細胞同士の情報伝達で出来た老廃物などが傷つけます。身体を構成している脂質、蛋白質、酵素、DNAなどが酸化されて傷つけられます。引いては、老化が早まったり、病気を起こしたり、癌や生活習慣病(糖尿病、高血圧など)を起こしたりします。アンチエイジングで良く聞く言葉ですね。生きている限りは誰でも酸化ストレスがかかっています。

難しいミクロな話はあまり頭に浸透していませんが、「高容量のカテキン(緑茶の成分)は酸化ストレスを抑える」らしい。ビタミン剤との比較試験だったかな。。。お茶何杯分くらいのカテキンかは質問出来ずジマイでした。

それから、高血圧対するお薬で、ARB(アンギオテンシン・レニン・アルドステロン系拮抗薬)がありますが、心不全のある患者さんで経過をみたところ、飲まない人と比べて、総死亡では有意差なしだったそうです。生活の維持レベルとか、病気の発症とか、死亡以外の要因は分かりませんが、死亡だけみると有意差なしだそうです。残念。

他、酸化ストレスをみる試験で、
・マルチビタミンは無効、
・シンバスタチン(高脂血症の薬の一種)は無効
・テルミサルタン(高血圧の薬の一種)は有効           らしいです。

それから、高血圧を起こす病気の一つに、腎動脈狭窄症というのがあります。普通の高血圧の治療では内服ではなかなか血圧が下がりません。多くは、脳梗塞、心筋梗塞などの原因となる、動脈硬化が原因です。動脈にステントを置いて広げるなど、手術を考える症例は次の通り。

・2cmを超える腎動脈狭窄病変
・妊娠する女性
・腎動脈高血圧症

症例の報告では、頭痛もちで内服しても血圧が200くらいあり、腹部大動脈瘤を持っている80歳男性が、腎動脈が左右ともに狭窄しており、腎血管を治療して良くなったそうです。普段160mmHgくらいの高血圧の17歳女性、心臓が大きくなってきていて、腎血管を治療して、140mmHgくらいになったそうです。血圧190/100くらいの55歳男性、腎血管治療で良くなったそうです。

以上、講演会前半のご報告。